NCA協議再開を目論むKNUを、在オーストラリア・カレン団体が批判
2021.5.15.
2008年憲法が違反とされたことで凍結している全国停戦協定(NCA)を再開させようとする行為は、現在の政治状況から目を背けるものだとオーストラリアカレン団体(AKO)が5月15日に声明文を発表した。
「ミャンマー全土で国民が毎日命を奪われており、安全の保障もなく、怯えながら人びとが生活しているこのときに、軍政の規定によって無効とされた2008年憲法の下で制定された利点のないNCAを再び動かそうと努力することは、現在生じている政治状況から目を背けてるということだ」と、AKOの声明文では述べられた。
NCAの調印後、ミャンマー国軍はあけすけに(協定内容に)違反し、地域発展を理由にカレン地域に駐屯地を次々に建設し、軍事戦略の懸念と称して道路の爆破などを行っていた。そのため、同地域のKNLAとの武力衝突が頻発していた。
そして、住民の暮らす村では大砲や手りゅう弾の他、戦闘機からの爆撃により、多くの住民が国境付近とタイ側へ避難していることも、声明文では言及された。
NCA協定の違反が多くみられるにもかかわらず、KNUのソームートゥーセーポ議長は、NCAの原則に則って引き続き行動するとしており、政治問題についても協議を通じて解決していくという姿勢を表明している。
5月10日には、同議長の署名入りで声明文も発表したが、これは権力を濫用したものであり個人の意見にすぎないと、AKOは非難した。
そのため、KNU議長に、組織としての決定が含まれずに公表された声明文について、責任を取るかたちでの引責辞任を求め、辞任しないのであればKNUのリーダーとしてソームートゥーセーポ議長に対する職務停止を要求すると、AKOが発表した。
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