ミャンマー語ニュース翻訳ブログ

2021年2月1日のクーデタにより軍政支配が再び始まったミャンマーについて、現地語ニュースやSNSなどでの投稿を日本語で紹介していきます。現地の人たちや現地メディアが何をどう伝えているのか、少しでも多くの人に伝わることを願っています。(ブログ管理者はミャンマーの歴史・マイノリティの人びとについて大学で教えたり研究したりしています。)

バゴーでの銃撃により死者、ミャンマー全土で600名超が死亡

2021.4.9.

 

バゴー市での4月9日に警察・国軍による攻撃により、被弾し死亡した市民の数が60名を超えたと、地域住民がDVB(Democratic Voice of Myanmar: 国外に拠点を持つミャンマー報道機関)に語った。

バゴー市では、同日午前5時ごろから、マッガティッ、サンドードウィン、モーカン、レイッピャーガンなどの地区で、デモ隊に対し警察・国軍の3つの部隊が重火器・小銃で発砲・攻撃していた。

国軍は被弾した者を引き渡さずに学校や僧院に積み重ねており、死者の亡骸を夜になると車で運び出し車に乗せていた。その様子を見ながら死体を数えたところ、その数は56名だったと住民が証言した。早朝に死亡した3名を含めると、確認できるだけでも62名が死亡したとのことである。

正確な死亡者数については確認を引き続き行っている。

バゴー市の住民は、「彼らがデモを行っているという理由で攻撃を受けたのではない。殺人集会を行っているかのようだった。」と語る。

 

軍評議会の報道では、4月9日の発砲では市民1名が死亡、2名が負傷し、治安部隊2名が負傷したと報じられた。

 

人権団体である政治犯支援協会(AAPP)の発表によると、クーデタ以来の2か月間に国軍と警察の攻撃により命を落とした国民の数は、バゴー市の死亡者を含めると618名にのぼる。

この数は、2月1日から4月9日までの記録を集計したものであり、同団体独自の集計結果であるため、正確な死亡者数は、これよりも多い可能性があるとのことである。

 

春革命の間に2931名の国民が拘束されており、そのなかの54名は禁錮を命じられている。起訴および逮捕状が出されたため、行方を眩した者は520名にのぼるという。

4月9日の早朝以降のテロ攻撃は、バゴー市内に住む市民らが自警のために設置したバリケードがあるマッガティッ通りの両面から挟み撃ちにし、重火器・小火器・手りゅう弾などを用いて攻撃が行われた。各地区での銃撃のため少なくとも4名の市民が死亡し、多数の負傷者と逮捕者が出たことが、上述のAAPPの発表で判明した。

 

その他、ザガイン管区カター市でのデモ隊も国軍の攻撃を受けたが、負傷者・拘束者は出ていない。

ヤンゴン管区タムエー地区のチャッミャウンでは、あちこち場所を変えてデモを行っていたデモ隊を、国軍・警察の武装車12台が追跡し、その際若者が殴打され拘束された。サンヂャウンでは、ゲリラ的な攻撃をうけ2名が被弾し、2名が拘束された。

 

国軍が1962年と1988年にもクーデタを起こし、軍政の非道な人権侵害に国民は何十年も直面してきた。そうした過去と今回の2021年は同様の経過をたどっており、国民が(この十年で)相応に実感してきた民主主義が失われてしまい、自由も再び喪失してしまったと、AAPPは述べている。

 

AAPPは、現状を毎日注視し記録しており、国軍の権力掌握について、拘束・起訴・実刑をうけた人びとのリストを毎日発表している。

市民団体らも、指導者、一般市民、専門家、記者、CDMに参加する公務員など各分野で逮捕・拘束・起訴を受けた者を知る場合は、連絡し詳細を報告するようにと周知をすすめている。

 

元記事はこちら↓

http://burmese.dvb.no/archives/457096